この作品は完結しました
小児心臓外科のゴッドハンド 佐野俊二の歩んできた道
重い病を背負って生まれてくる子供もいる。100人に1人の割合で発症する『先天性心疾患』の中には、すぐにでも手術が必要なものもある。しかし、ピンポン玉ほどの大きさの赤ちゃんの心臓への手術は難易度が高い。しかし、そんな子供の心臓手術を得意とする世界的名医がいた。
彼の名は、佐野俊二。どんな難しい手術でも決して断らないと言い切る彼のモットーは「逃げない、あきらめない、ごまかさない」。
「ナイト」の称号を持つ世界的名医、Dr.サー・バレットボイスに憧れてニュージーランドに渡って修行をし、やがて小児心臓外科手術の世界的権威、Dr.ロジャー・ミーの下で経験を積み全幅の信頼を得るまでになった、日本が世界に誇る小児心臓外科医の半生を描く!
監修:佐野 俊二Dr.
岡山大学病院副院長、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・心臓血管外科教授。
極めて難しいとされる左心底形成症候群の手術の成功率を3割から9割にまで高めた。佐野が心臓に0.1mmの穴を開けるという手術法を独自に開発したのだ。
佐野が率いる小児心臓外科チームのもとへは全国から子どもたちが訪れ、年間300件以上、多い日には5件の手術をこなす。佐野はどんな難しい手術でも決して断らないと言い切る。
佐野は日本での臨床研修を終えた1985年、ニュージーランドに渡る。オークランドにあるオークランド大学グリーンレーン病院のSir Brian Barratt-Boyes(サー・ブライアン・バレットボイス)のもとで研修を受けた。Sir Brianは長年の著名な功績により、イギリスのエリザベス女王から騎士(Knight)の称号をもらっている世界で唯一の心臓外科医である。その後はオーストラリアにある王立小児病院に移り、Sir Brianの弟子であるDr.Meeのもとで学んだ。
帰国後は41歳という若さで、岡山大学心臓血管外科の教授に就任する。
佐野 俊二Dr.プロフィール
【略歴】- 1952年
- 広島県芦品郡駅家町(現在の福山市)生まれ
- 1970年
- 広島県立福山誠之館高等学校卒業
- 1977年
- 岡山大学医学部卒業
岡山大学医学部第二外科入局
広島市民病院心臓血管外科研修医 - 1978年
- 兵庫県立尼崎病院心臓血管外科医員
- 1982年
- 岡山大学大学院医学研究科修了
兵庫県立尼崎病院心臓血管外科副医長 - 1984年
- 岡山大学医学部第二外科医員
- 1985年
- ニュージーランド Green Lane Hospital
(オークランド大学メディカルスクールの小児専門病院)でSenior Fellow - 1987年
- Melbourne University Medical School(Australia)の
小児専門病院 Royal Children's HospitalでSenior Fellow - 1988年
- Melbourne University Medical School(Australia)の
小児専門病院 Royal Children's HospitalでConsultant Cardiac Surgeon - 1990年
- 岡山大学医学部第二外科助手
- 1991年
- 岡山大学医学部心臓血管外科助手
- 1993年
- 岡山大学医学部心臓血管外科教授
- 1997年
- 九州大学医学部非常勤講師/富山医科薬科大学非常勤講師(~1998年)
- 2001年
- 岡山大学大学院医歯学総合研究科心臓血管外科教授
- 2002年
- 岡山大学医学部附属病院副病院長
昭和大学横浜市北部病院循環器センター循環器科客員教授 - 2004年
- 京都大学医学部講師(~2005年)
- 2005年
- 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科心臓血管外科教授
佐野Dr.関連コンテンツ
【講演動画】