もっと創造的になりたいなら散歩に出よう(05:26)
講演内容の日本語対訳テキストです。
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創造的なプロセスというのは ご存知のとおり 最初のアイデアから 最終的な製品になるまで 長い道のりです 同じことを ひたすら繰り返し 何度も練り上げて 血と汗 それに涙のにじむ 努力の年月です 散歩に出かけたら 帰ってくる時には 左手にシスティーナ礼拝堂― なんて話じゃありませんよね 私たちが注目した創造的プロセスの 枠組みとは何でしょう? この最初の部分だけです ブレインストーミングです 新しいアイデアの発案です 実際に 様々な人たちを対象に 4つの研究を行いました 室内か戸外のどちらかを 歩いてもらったのです そして これらの研究はどれも 同じ結論になりました 今日は その1つについてだけ お話ししましょう
創造性を測るのに使ったテストの1つは 「別の用途を考案する」というものです このテストの 制限時間は4分間です あなたの課題は 日常的な物の 別の使い道を できるだけ多く考えることです 例えば 鍵にはどんな 別の使い道があるでしょう? 錠前を開ける以外にですよ 確かに キリンの第3の目玉にも 使えますねえ かもね まあ面白いですね 新しいし でも創造的か? できるだけ多くのアイデアを 出してもらったのですが ここで判断が必要でした これが創造的かどうか?
多くの人たちが同意している 創造性の定義は 「適切な新奇性」です 何かが適切であるためには 現実的である必要があります 残念ですけど 鍵は目玉として使えませんね ダメ! 「新奇」の方で必要なのは 誰もまだそれを挙げていないことです 私たちの定義では まず適切である必要があり それから新奇性 つまり 対象者のうち 他に誰も 挙げていないということが必要でした 鍵は誰かの車に傷を付けるのに 使えると考えたとしても 他の人も言っているなら 誰のアイデアにもなりません でも1人だけ こう言った人がいます 「もし殺人ミステリ―の中で 死にかけていたなら 殺人者の名前を 地面に刻まないといけない 末期の言葉と一緒にね」 1人だけいました こう言った人が
(笑)
これは創造的なアイデアです 適切で 新奇ですからね
参加者はこのテストを座って受け アイデアを挙げていくか ルームランナーを歩きながら 受けるかのどちらかでした
(笑)
彼らは異なる対象について 2回のテストを受けました 3グループに分けました 第1グループは 最初のテストで座り 2回目のテストも 座って受けました 第2グループは 最初のテストで座り 2回目のテストは ルームランナーで歩きながら受けました 第3グループは これが面白いんですけど 最初のテストは ルームランナーで 次のテストは 座って受けました つまり2つのグループが 最初のテストの時は一緒に座り グループ間で あまり違いは見られず 1人あたり 平均20の 創造的なアイデアを出しました ルームランナーで 歩いていたグループは アイデア数が ほぼ2倍でした 彼らは窓のない部屋で ルームランナー上を歩いていただけです テストは2回受けるんでしたね 2回とも座って受けた人たちは 成績の向上はありませんでした 練習の効果はなかったんです でも1回目には座っていた まさにこの同じ人たちが 歩くことで 創造性が 加速したんです ここが面白いんです ルームランナーで 歩いていた人たちは 歩いていた残留効果を 依然として示し その後もまだ 創造的だったのです つまり 次の重要会議の前には 散歩に出るべきだということです ブレインストーミングは その直後に始めましょう
最高の効果を生み出すためには 5つのコツがあります その1 ブレインストーミングには 特定の問題やトピックを取り上げる これは「シャワー効果」ではない ということです つまりシャワー中に突然 新しいアイデアが 湧き出すという風ではないので 前から考え続けている事柄を 対象にするということです 研究参加者は 異なる視点を ブレインストーミングで考え出そうと 意識しながら歩いていました
その2 これはよく質問されます 走りながらでも良いのか? 私の場合は 走っている時に 浮かぶであろう新たなアイデアは 走るのをやめることだけですので…
(笑)
でも あなたにとって走るのが 心地よいペースなら 良いでしょう どんな身体活動であるかは たいして重要でないと分かっています ですから 心地よいペースで歩くのが 良い選択です
また 皆さんは できる限り アイデアを多く出したいと思います 創造性の1つの鍵は 最初のアイデアに囚われないことです 進み続けましょう 新しいアイデアを挙げ続けた後に 実行するものを1つ2つ選びましょう
紙に書き出しにくいのが 心配かもしれませんね 忘れてしまったら?と ここでのポイントは 口に出すことなんです 参加者は皆 思いつきを 口に出していました ヘッドホンを付けて スマホで録音すれば 創造的な会話をしているふりを することはできますよね アイデアを書き出すという行動は すでに選り分けになるんです こうなるでしょう 「書き出す価値があるか?」 考えてから書く訳です できる限り多く口に出して 録音して 考えるのは後にしましょう
最後のコツは いつまでも やらないことですね もし歩いていても アイデアが浮かんでこなかったら また別の時に 再開しましょう
まさに今 アイデアが 湧いてきていると思います 私のアイデアはこれです あなたの考えに綱をつけて それを握って お散歩に連れて行ったらどう?
ありがとう
(拍手)
新しいアイデアを考え出そうと頑張って行き詰まった経験は、みんなあるものです。しかし行動や学習を科学的に研究しているマリリー・オペッゾによると、立ち上がって散歩に出かけるだけで、あなたの創造性の流れが活発になるかもしれません。この楽しく早口なトークで彼女は、あなたが今度行うブレインストーミングから最大のアイデアを引き出すために、歩くことがいかに助けになるかを説明します。