AIが病気の診断を簡単にする方法(04:59)
講演内容の日本語対訳テキストです。
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現在のコンピューターアルゴリズムは 素晴らしい仕事をしています 人間のような知能を持ち 膨大なデータを 高い精度で処理しています このコンピューターの知能は よく「AI」 あるいは「人工知能」と呼ばれます AIは 人々の将来の暮らしに 素晴らしい影響を及ぼそうとしています しかし 私達は今でも 感染症やがんなどの 命に関わる病気を 発見や診断をする際に 数多くの課題に直面しています 毎年 何千人もの患者が 肝臓がんや口腔がんで 亡くなっています
これらの患者を救う 最善の方策は がんの早期発見と診断を 行うことです 現在 病気はどう検出されているでしょう? AIは活用可能でしょうか? 不幸にも 患者にこれらの 病気の疑いがある際には 専門医が最初に指示するのは 蛍光イメージング、CT、MRIなどの とても高価な 医用画像技術の使用です 画像が集まったら また別の専門医が画像を診断し 患者に診断を告げます お分かりのように この過程は 膨大なリソースを要します 2人の専門医、高価な医用画像技術 発展途上国では 実用的ではありません 実際は 多くの先進国でも同じです
ではAIを使って この問題を 解決できるでしょうか? 現在 もし私が従来の AIの仕組みを使って この問題を解決しようとしたなら 1万枚もの― 繰り返しますが 万単位の とても高価な医用画像が まず必要になります その後 私は 専門医のところに行き これらの画像を 分析してもらいます そして これら2つの 情報を用いて 患者を診断するために 標準的な ディープニューラルネットワーク または ディープラーニングネットワークに 学習させることができます 最初のアプローチと同じように AIを使った従来のアプローチでは 同じ問題に突き当たります 膨大なデータ、専門医 専門医用画像技術
では より広めやすく、より効果的で より価値のある AIを構築し 現在私達が直面する 重要な課題を 解決することは可能でしょうか? それがまさに MITメディアラボで 私のグループが取り組んでいる内容です 現在 医用画像や臨床試験で直面する 最も重要な課題のいくつかを解決するために いくつかの斬新な AIの仕組みを開発しました
今日皆さんにお伝えした例では 2つの目標がありました 最初の目標は AIのアルゴリズムの 学習に必要な画像の 枚数を減らすことでした 2つ目の目標は より野心的で 患者をスクリーニングする際の 高価な医用画像技術の使用を 減らしたいと考えました 私達は どう取り組んだでしょう?
最初の目標については 従来のAIのように 数万枚もの高価な医用画像から 取りかかるのではなく 1枚の医用画像から 始めることにしました 私のチームは この画像から 何十億もの 情報パケットを抽出する 賢い方法を見つけました これら情報パケットに含まれるのは 色、画素、位置関係— そして医用画像に 病巣をレンダリングしたものです ある意味 1枚の画像を何十億もの 学習用データへ変換できたことで 学習に必要なデータ量の 大幅減が可能になりました
二つ目の目標 スクリーニングの目的で 高価な医用画像検査の使用を減らすために 患者のためにデジタル一眼レフカメラや 携帯電話で撮影された 標準的な白色光の写真から始めました 先程の何十億もの 情報パケットを覚えていますか? 医用画像から得たそれらの情報を この画像の上に重ね いわゆる 合成写真を作りました かなり驚いたことに わずか50枚で十分でした 繰り返しますが わずか50枚の 合成写真で 効率よくアルゴリズムに 学習させることができました
私達のアプローチをまとめると 1万枚の とても高価な医用画像を 使うのではなく AIアルゴリズムを画期的な 方法で学習させることが可能になりました デジタル一眼レフカメラや 携帯電話で撮影した 標準的な高解像度写真が たった50枚あれば 診断ができます より重要なことに 私達のアルゴリズムは 将来 そして今でも 高価な医用画像技術ではなく 患者が持つ ごくシンプルな 白色光写真を 活用できます
AIが私達の将来に 素晴らしい影響を及ぼす 時代に入ろうとしていると 私は考えています データはたくさんあれど 運用が不便だった 従来のAIのことを考えると 特に医療分野において 少量のデータを活用し 私達が現在直面する 最も大切な課題を解決できる 斬新なAIの仕組みについて 引き続き考えていくべきです
どうもありがとうございました
(拍手)
現在のAIアルゴリズムは、病気を検出するために何万枚もの高価な医用画像を必要とします。もし、AIの学習に必要なデータの量を大幅に削減し、診断を安価で、より効果的なものにできるとしたら?TEDフェローのプラティック・シャーは、まさにそのための賢いシステムの開発に取り組んでいます。斬新なAIのアプローチを用いて、シャーはアルゴリズムを構築するのに画像を50枚しか必要としない技術を開発しました。また、医者の携帯電話で撮影した写真でも診断を可能にしました。 この医療情報分析の新しい方法がどのように、命に関わる病気の早期発見につながり、AIに支えられた診断が世界の医療の環境を提供できるのか、学びましょう。