私たちはメンタリングを 年上から年下への知恵の伝授だと 考えてきましたが 考え方を変え 新人に先輩を指導させると 素晴らしく大きな メリットがあります

［シリーズ 働き方］

［協賛：Dropbox］

現在の労働人口は 最大５つの世代から成り立ち あらゆる種類の社会的少数派が参画して 多様化する傾向にあります 一方 その変化は 経営幹部や役員会に 迅速に届くことは皆無です つまり トップと 社員たちとの間に 見解や経験の隔たりが 広がっているのです

組織はその隔たりから 陳腐な考えや盲点に陥り 年齢、人種、性別だけでなく 様々な観点から これら少数派の人々を 疎外する可能性のある方針を 取りかねません 疎外する可能性のある方針を 取りかねません

このような視野狭窄はリバースメンタリングで 解決できるかもしれません でも リバースメンタリングは メンタ―を見つけたら 終わりという 単純なものではありません メンタ―からの学びに 心から興味を 持たなければなりません 価値あるものにするため メンタ―との関係を 意識する必要があります

私がそう理解しているのは ヴァージン・アトランティックに 入社後１年目で 私が最高経営責任者 クレイグ・クリーガーの 初のリバースメンターに 選ばれたからです 私は彼と面識があり プレゼンしたこともありましたが これは全く勝手が違っていました 今まで部下に 黒人女性がいなかったことを 彼は認めていました また 少数派をより受容できる社風を いかに作るか 私の見解を理解したがっていました 無理はしないで これが私が学んだ リバースメンタリングの秘訣です

レッスン１ メンター探しは慎重に マッチングを上手く行うため 組織内の鍵となる代弁者を 良く知る人を見つけましょう メンターは人事担当者である 必要はありません あなたやあなたのチームを よく知る人でいいんです 相性がとても重要だからです 人事担当の副社長が 私を選んだ理由は 自分の考えや リーダーシップ開発への情熱を 積極的に周囲と 共有していたからです

また あなたのメンターが 直属の部下やチームメンバー でないことを確かめましょう 年度末にあなたが 評価する人から 率直な意見や評価を得るのは とても難しいからです あなたが財務部門なら マーケティング部門の人を探し 技術部門なら 顧客サービス部門の人を探しましょう そうすれば 所属チームとは異なる視点が養え 異なる視点は より良いリーダーを 育てるのです

レッスン２ まずは 基本的ルールを作りましょう 最初に会うのはオフィス外の 中立な場所にすべきです 指導を受ける側なら 何を本当に学びたいか リストにしておくべきです メンターの経歴や その人の人生で 克服しなければならない 大きな障害があったかどうか 知っておくといいかもしれません また 会社の特定の方針が いかに 直接的・間接的に その人に影響するかを 理解しておくといいかもしれません

二人の会話を内密にすることに合意し 家庭生活の話や 個人に対する具体的意見など 立ち入ってはいけない話題があるか 確認しておきましょう

レッスン３ まず お互いを知りましょう この時に自分のことを しっかりと伝えることが大切です 自分は何者なのか？ 人生でとても辛かった時は？ 自分の夢や希望は何なのか？ 類似点ではなく 違いを見つけるようにして下さい これがリバースメンタリングの 本当の良さなのです クレイグと私には 共通する原体験がありました 二人とも移民で 彼はアメリカで育った二世で 私は３歳の時に ジャマイカからイギリスへ渡った 一世です でもそこから先の経験は 全く異なります

レッスン４ 役割の逆転に注意しましょう 会話の中で 彼が何気なく 私にキャリアのアドバイスを することがありました そんな時 私は 「とても興味深いお話ですし 後でぜひ聞きたいですが 時間も限られています 他にお知りになりたいことは？」 と言わざるをえませんでした とても難しかったですが メンターとして 覚えておくべきことは 限られた時間の中では あなたの洞察力の方が 実際には組織に重要だということです

レッスン５ 振り返りの時間を作りましょう 面談で話した 重要な点について 面談の最後か 面談後にメールで確認しましょう 振り返る時間が取れるように 面談と面談の間を空けましょう 私たちの場合 ３〜４週間が 丁度良い間隔となりました

そして最後に 褒めるところは褒めてください 従来のメンタリングの関係では メンターは褒められることは ないのですが 指導される側が強い権力を持つ リバースメンタリングでは きちんと褒める事が大切なのです

先見性のある組織では 少数派を受容できる環境を 築く手段として リバースメンタリングを活用してます また 研究結果では リバースメンタリングを 採用した組織では 社会的少数者の社員が より自信を持って 自分たちの考えを 共有していることが分かりました また 徹底した多様化戦略は 社会的少数派の社員の定着率を 上げる効果があります

個人的には クレイグとの リバースメンタリングのおかげで ヴァージン社で 少数派を受容できる社風を築く際の 当事者意識やリーダーシップを 持てました また 彼自身は キャリアの頂点に立っても まだ学ぶ事があると 気づかされたのです