アメリカのヘルスケア産業は、病理学、手術と薬理学に大変集中しています — 医者が患者に何を「するか」 — ケアする人の価値をしばしば見落すために。
緩和ケアの医師Timothy Ihrigは異なるアプローチで、患者の全体的な生活の質を向上し、診断から尊厳と同情をもって死に至る重い疾患に至る利点について説明します。
自動スクロールはしませんので、映像に合わせてスクロールさせてご覧下さい。
私は緩和ケアの医師です、そして、今日みなさんにヘルスケアについてお話ししたいと思います。我々の国で最も深刻な病気と関わっている人々とそのケアついてです。 同様に経済についてもお話したいと思います。そして、これの二つの交差があなた方を脅かすのです。同様に私も非常に脅かされるのです。
緩和ケアについてお話しします:何に価値を見出すのかという人々のケアの典型。患者の価値観に基づいた患者中心のケアはQOLも良く、より長生きできます。事実を伝えるケアの模範で、一対一でその人がどこにいるのが携われる。
私の最初の患者のお話しから始めたいと思います。白衣をまとって医師として働く初日のこと、躊躇しながら病院に入ると68歳のハロルドがいました。6週間ほど前から頭痛がひどく、さらにひどくなっていました。診断の結果、脳に腫瘍が広がっている事が判明。担当医からハロルドと彼の家族に診断内容、経過見通し、ケアのオプションについて話し合うよう指示されました。
初めての職場に入って5時間足らず、私に出来る唯一の事をしました。部屋に入り、座る、ハロルドと彼の妻の手を取って深呼吸しました。
ハロルドは、「良くないんだね?」と尋ねました。
私は、「はい」と答えました。
そして、我々は話し合いました。しばらくして私は訊きました。「ハロルド、あなたにとって一番大切なものは何ですか?」
彼は「私の家族」と答えました。
「あなたは何をしたいですか?」と訊きました。
彼は私の膝を叩いて「釣りに行きたい」と言いました。
私は「それならそうしましょう」と言いました。
ハロルドは、その翌日釣りをしに行きました。 彼は1週間後にこの世を去りました。
私のキャリアの中での研修中にハロルドのことを思い出します。そして、私はこれが非常にまれに起きた会話であると思います。そして、それは今日のアメリカにおける最も大きな脅威、医療費用の浪費という脅威が招いたものです。
つまり、GDPの15%に及ぶ費用が最も深刻な病に犯されている人で占められているのです。およそ2.3兆ドル(240兆円)。15%の重体患者がGDPの15%を占めます。ベビーブームの成長に伴い向こう20年で推定するとGDPの6割を占めることになる。アメリカの国内総生産の6割―その時点ではヘルスケアの問題というより日々の牛乳、大学の学費の問題にも及ぶのです。我々が価値を見いだし、現在分かっている全ての事柄に関わってきます。アメリカの自由市場経済や資本主義を危うくしているのです。
しばし統計のことは忘れて、我々が使うお金がどのような価値を生み出すのか考えてみましょう。さて、ダートマス・アトラスはおよそ6年前、一般的にこの層の医療費に使われたお金の中身を検証しました。一人当たりに使われる費用が多ければ多い程、最も苦しみ、早く命を落とした事が分かりました。
こんな事があり得るのか? 我々はアメリカに住み、この国には地球上で最も優れた医療システムがある。途上国のおよそ10倍以上がこのような患者に使われる。それでは意味がない。しかし、分かる事は医療システムが整備されている上位50カ国の中でアメリカは37位にランクされるということです。質と価値という面では旧東欧やサハラ以南のアフリカの国が我々に勝っているのです。
診療所で日々私が経験する事、そして多くの皆さんもご自身の人生の中で経験されている事:多いからと言って言い訳ではない。
より多くの検査、より多くのベルの音、より多くの口笛の音、より多くの化学療法、より多くの手術、より多くのなにか―――誰かに何かをより多く行うほど、その人のQOLを軽減させ、しばしば縮めることになっている。
さて、我々はどうすればいいのでしょう?そしてなぜそうなのでしょう?みなさん、残酷な現実は、我々ヘルスケア産業の白衣を着た医師が奪っているのです。どのような病状下であれ、みなさんがどのように生きたいかという選択できる機会を奪っているのです。我々は病気、病理、手術、薬理学に焦点をあて人間であることを見逃しています。人間である事を理解せずいかにして病気を治療できましょう。人間であることになにかをしなくてはいけません。
ヘルスケアの3つのねらい:①患者の苦痛の改善、②人々の健康の増進、③一人当たりの費用を継続して減少させること。
我々、緩和ケアグループは2012年に病人がもっともうんざりするもの―――癌、心臓疾患、肺疾患、腎臓病、痴呆―――いかに患者の経験を改善したのか。
「先生、私は家に帰りたいです」
「わかりました、それではケアしましょう」
QOLは向上しました。まずは人間のことを考えましょう。
2:人々の健康。この人々をどのように我々は異なった方法で診るのか、そして違うレベル、より深いレベルで彼らとつき合って、私自身より広い意味での人としての在り方につなげられたのか? 2012年に我々の外来患者の94%が病院に行かずにすむように、どのように管理したのか。行かないのではなく、病院に行かなくて済んだからだ。我々がケアすることで彼らのQOLを維持したのです。
3: 一人当たりの支出。 患者にとって現在の2.3兆ドル(240億円)は20年後にはGDPの6割にあたります。我々は医療費をほぼ7割削減しました。彼らの価値観に基づき、より必要なものを得ることができ、3分の2の費用で、よりよく生きてより長生きしています。
ハロルドの時間は限られていましたが、緩和ケアはそうではありません。緩和ケアは診断から人生の終わりへのパラダイムです。 時間、週、月、年―――治療するか、しないか。
クリスティーンの場合、子宮頚癌ステージⅢ、子宮頸部から癌は全身に転移。彼女は50代で現在も生きています。これは命の終わりではなく命についてです。高齢者だけでもなくすべての人の事です。
リチャードは末期の肺癌です。
「リチャード、あなたが一番大切なものは何ですか?」
「私の子供、妻、そして私のハーレーだ」
観衆:(笑)
「よし!自転車もろくに乗れない君をハーレーに乗せてあげることはできないが、何ができるか考えてみよう」
リチャードは小声で自分の余命は数週間から数ヶ月と話しました。我々はとことん話しました。たくさん話を聞き、また努力をしました。
―――違いは大きい。
私は言いました。我々が人生のその他の章を殺すように、「わかりました、一日一日を大切にしましょう」 そして、私たちはリチャードのいるところで日々会いました。
そして週に2日電話して、しかし彼は末期の肺癌の状態で生きています。
現在、緩和ケアは高齢者のためだけでありません、中高年のためでもありません。全ての人のためにあるのです。
私の友人ジョナサンです。 光栄にも今日はジョナサンと彼の父親が来てくれています。 ジョナサンは20代で、数年前に会いました。彼は転移性精巣癌で脳にまで転移していました。彼は脳卒中で手術を受け、放射線治療、化学療法を受けました。彼と彼の家族に会った時、数週間後に骨髄移植をひかえていました。話を聞いているなかで私に「癌はいったいどんなものなのか分かるように教えて下さい」といいました。
なにと向き合っているかも分からすどうしてここまで来てしまったのか。その人がなにと向き合っているのか分かるように力を与えずしてどうしてここまできてしまったのか。そして次のステップとして、人間としてそれがやるべき事なのか。
神のみが我々のやる事がわかる。果たして我々は?
今日における緩和ケアに関連するエヴィデンスは確実によりよい生き方、より長く生きることを証明しています。2010年のNew England Journal of Medicine(マサチューセッツ内科外科学会によって発行される雑誌)に強い影響力を持つ記事があります。ハーバードにいる私の友人、同僚によって研究が行われました。
末期の肺癌患者:緩和ケアのあるグループと無いグループ。
緩和ケアのあるグループの方がより痛みが少なく、挫折も少ない事が報告されました。入院も少なかったと言われている。そして、みなさん、このグループは3~6ヶ月延命しました。緩和ケアが癌の治療薬であったら、この世の全ての医師が処方箋を書くでしょう。何故しないのか?それは、間抜けな白衣を着た我々医師が病気だけ診て人間としての部分を見逃すように訓練されているからです。
今日の話の内容は死についてではなく、生きる事についてです。我々の価値観に基づき生きる事、何に重みをおき人生の章をどのように書きたいのか、それが最後だろうが残りの5章であろうが。分かった事、証明された事は、この取り組みは今日行われなくてはならない。―――来週でも、来年でもない。
問題になっているのは今を生きる我々、年を取るに連れての我々、我々の子供、孫である。病室でも、家のソファーの上でもなく、我々のいるあらゆるところや我々の見る全てのもの。緩和医療が人間と携わるその答えです。我々皆が直面する人生の旅を変えるため、よりよく変えるために。
私の同僚、患者様、政府関係者、皆さん、共に最高のケアを声を上げて要求しましょう。より良い今日を生きるため、更には明日のより良い人生のために。
明日を生きるために今日を進まなくてはならない。
ありがとうございました。
(拍手)
日本大学松戸歯学部卒。
ゆたか歯科クリニック開設
城北インプラントセンター開設
日本顎咬合学会
米国歯周病学会(AAP)
http://www.shuyu-kai.or.jp/
【略歴】
日本大学松戸歯学部卒
明海大学臨床研究所付属PDI埼玉歯科診療所勤務
河津歯科医院勤務
ゆたか歯科クリニック開設
医療法人社団秀雄会理事長就任
城北インプラントセンター開設
【所属】
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
板橋区歯科医師会
日本顎咬合学会
米国歯周病学会(AAP)