ディーピカ・クルップは、14歳のときにインドにいる祖父母の家の近くで、触るのもためらうような水を飲んでいる子供を見た時から世界の水資源危機を解決しようと決めました。
彼女の研究は家のキッチンから始まり、ついには著名な科学に関する賞を受賞しました。
この10代の科学者が水を浄化するための、費用対効果に優れ、環境にやさしい方法をどのように開発したのか聞いてみましょう。
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毎年私の家族は、ここアメリカから3,000マイル離れた多文化の国インドへ旅行します。
インドは灼熱と湿度で評判が悪いとされています。私にとってこの灼熱から逃れられる方法は十分な水分補給です。インドに滞在中、私の両親は常に沸騰させた水かペットボトルの水を飲ませようとしました。
ここアメリカのように水道の蛇口をひねればきれいな飲用水がでるのとは違い、インドの水は汚染されているからです。従って、私の両親はその水を飲んで大丈夫か確認しなければなりませんでした。
しかし、私達のようにみんながみんな、きれいな水に恵まれてるとは限らない事に気づきました。私の祖父母の家の外はインドの混雑する道で、炎天下の下、バケツを持って水道の水を持ち帰るため長蛇の列に並んでいる人がいました。さらに、私と同年代と思われる子供が、プラスチックのボトルに道端の小川の水を入れているのも見ました。私が触るには汚れ過ぎていると思う水を子供達が強制的に飲まざるを得ない状況を見て世界の見方が変わりました。この受け入れられない社会的不均衡が私を世界の水資源の問題解決に取り組ませたのです。なぜこの子達は、生きるのに最も必要な水に事欠くのかを知りたいと思いました。そして、我々は世界的に水資源の危機に直面していることを知りました。
驚く事に我々の住む地球は75%が水におわれていますが、そのうち真水はたった2.5%なのです。そして地球の真水の1%ほどを人間が消費しているのです。人口の増加に伴い、産業の開発や経済成長、きれいな水の要求は増える一方で真水の量は急激に枯渇しつつあります。WHOの調べによると、約6億6千万人の人がきれいな水を得る事が出来ないと言われています。
これは開発途上国での5歳以下の子供達を死に至らせる主な要因となっています。ユニセフは水に関連する病気で毎日3千人の子供達が命を落としていると推定しています。
8年生の夏休みにアメリカに戻り、私の科学への関心は世界の水資源危機の問題解決の熱意と結びつきました。そしてまず初めに駐車場をラボに変える事からはじめました。
観衆:(笑)
実際、最初はキッチンをラボにしましたが、両親に認められずに追い出されてしまいました。
水関連の研究に関する記事をたくさん読みました。開発途上国では現在、太陽熱消毒(SODIS: Solar Disinfection)という手法での水の浄化が用いられている事を知りました。SODISでは透明なプラスチックのボトルに汚染水を入れて太陽光に約6~8時間置く。太陽からの紫外線が汚染水の中の危険な病原体のDNAを破壊し浄化します。SODISは簡単でエネルギー効率がいいのですが非常に時間がかかります。曇りの日だと2日かかる場合もあります。従って、このSODISのプロセスを早める為、光触媒(photocatalysis)という新たな方法が用いられています。
では、光触媒(photocatalysis)とはなにか? "photo"は光、catalysisは反応を早める作用。つまり、光触媒は浄化のプロセスを早める事なのです。太陽の光が届いて例えばTiO2、酸化チタンのような光触媒を直撃すると、超酸化物、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルのような活性酸素を作り出します。これら活性酸素は飲用水からバクテリアや有機体を取り除く事ができます。
しかし残念ながら、現在使用されている光触媒SODISにもいくつかのデメリットがあります。光触媒の方法はきれいなプラスチックボトルの内側に光触媒のコーティングをすることで行われます。しかし、酸化チタンのような光触媒は実際紫外線をブロックするためのsunscreenにも共通して使われています。従って、ボトルの内側にコーティングすると実際多少の紫外線をブロックしてしまうのでプロセスの効率を下げることになってしまいます。また、光触媒コーティングは水に流れてしまう為、触媒自体を飲んでしまう事になります。酸化チタンは安全で化学変化を起こしませんが、飲んでしまうと多少の使用でも補充しつづけなければならないので非常に効率が悪いのです。
私の目標はこの処理方法のデメリットを克服して、安全で、持続性のある、コスト効率かつ環境にやさしい浄化方法を開発する事でした。8年生の科学発表会でのプロジェクトとして始まったものが今は水浄化の為の光触媒複合体になりました。複合物は酸化チタンとセメントでできています。
セメントのような複合体はいくつかの異なる形に形成され結果的に非常に多岐に渡って展開できます。例えば、各ボトルに簡単に入るような棒状のものをつくる事もできるし、家族用の水を漉せるような穴状のフィルターをつくる事もできます。また、現存する水タンクの中にコーティングする事でより長期的に地域社会のために多くの水を浄化する事もできます。
この研究の道のりは決して簡単ではありませんでした。立派なラボもありませんでした。当時14歳だった私ですが、年齢を研究や世界の水資源の危機問題解決の妨げにはしたくありませんでした。
水は単なる万人の液体ではありません。水は万人の人権です。その為に私は2012年のscience fair projectから現実の世界へと継続して研究しています。そしてこの夏、世界の水資源の危機への解決を目標とする社会的企業、Catalyst for World Waterを設立しました。
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一滴の水ではできる事は多くありませんが、多く集まればこの地球上の命を支える事ができます。水滴の集まりが海を形成するように我々みんなが一つになり、この世界の危機に取り組む事を信じています。
ありがとうございます。
観衆:(拍手)
日本大学松戸歯学部卒。
ゆたか歯科クリニック開設
城北インプラントセンター開設
日本顎咬合学会
米国歯周病学会(AAP)
http://www.shuyu-kai.or.jp/
【略歴】
日本大学松戸歯学部卒
明海大学臨床研究所付属PDI埼玉歯科診療所勤務
河津歯科医院勤務
ゆたか歯科クリニック開設
医療法人社団秀雄会理事長就任
城北インプラントセンター開設
【所属】
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
板橋区歯科医師会
日本顎咬合学会
米国歯周病学会(AAP)