ジミー・リンは現在の手法より数ヶ月から数年早くガンを検出する技術を開発しています。彼は、簡単な血液検査を行い、ガンが発する小さなシグナルを見つけて病態の再発を検出することで、従来のやり方よりも100日早くできるという、画期的な技術を披露します。このことは、早期発見が大きな違いをもたらすガンとの戦いにおいて希望の光となる可能性を秘めています。
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がん。この恐ろしい疾患のせいで、私たちの多くが家族、友達、愛している人を失いました。視聴者の中にがんの生存者がいますし、現在がんと闘っている人もいると思います。私はあなたたちの状況を知っています。がんと言うといつも悲しみ、怒りと恐怖を思い出しますが、私はがんの研究の最前線からあなたたちに良いニュースを配信しています。実は、私たちはがんとの戦争に勝利し始めています。実は、私たちはがん研究の三つの最も素晴らしい進展の交差点に立っているのです。
一番目はがんゲノミクスです。ゲノムは生物のDNAからエンコードした遺伝情報の構成です。がんは、DNAの変化による突然変異と呼ばれています。この突然変異ががんをコントロールできない原因です。およそ10年前、私はジョンズ・ホプキンス大学の研究チームのメンバーでした。このチームが最初にがんの突然変異を予想しました。私たちは結腸癌、乳がん、膵臓がんと脳がんの突然変異を記録しました。あれ以来、世界ですでに70カ国の90プロジェクトがこの疾患の遺伝的基礎を研究しています。現在、数万のがんの原因がこの小さな分子が要因だと言っています。
二番目の革命は「精密医療」です。「オーダーメイド医療」としても周知しています。画一的ながん治療薬の代わりに、これは完全に新しい治療薬になります。この新しい薬ががんの独特な遺伝的プロファイルに基づいてがんをターゲットにすることができます。現在、このテーラーメイドの薬は標的治療薬と呼ばれています。今、医師が患者にこの個別化された標的治療を提供できるよう、もっと多くの標的治療薬を開発中です。
三番目の素晴らしい革命は免疫療法です。これは本当に興奮しています。科学者がすでに免疫力を活用してがんと闘わせています。例えば、私たちはがんのスイッチをオフにする方法をいくつか発見しました。この新しい薬は免疫システムを元に戻して、がんと戦わせます。それに、免疫細胞を体から採取し、育てあげ、活性化し、そして体内に戻してがんと闘う方法が利用できます。ちょっとSFっぽくないですか?
私はアメリカ国立がん研究所(NCI)の研究員ですので、この領域の先進者と一緒に仕事して、研究の進展を直接に目で確かめる特権があります。これは本当に素晴らしいです。免疫療法のすべての側面を探るために、現在600以上の臨床試験が動いていて、積極的に患者を募集しています。
この三つの素晴らしい革命が進んでいますが、残念ながら、これはまだ始まったばかりです。いろんなチャレンジがありますが、ある患者についての話をしましょう。その患者は悪性黒色腫という皮膚がんにかかりました。恐るべきことに、がんはすでにあちこちに転移していました。でも、科学者はこのがんの突然変異をマップでき、そして良い治療方法を考え、ある突然変異をターゲットにしました。結果は奇跡的で、腫瘍がほとんど消えてしまいました。残念ながら、これで話は終わりではありません。これは数か月後に撮影した画像ですが、腫瘍が再発しました。これはなぜなのか? 答えは腫瘍の異質性にあります。これについて説明します。
たとえ腫瘍がとても小さくて直径1センチしかなかったとしても、億の異なる細胞から構成されています。遺伝的に似てはいても、この異なるがん細胞には小さな違いがあって、異なる薬に異なる傾向をみせます。たとえあなたが非常に効果的な薬を持っていても、ほとんどのがん細胞が殺されても、ごく一部のがん細胞がこの薬に対して生存する可能性があるのです。
だから問題は「この状況で私たちは何をするのか」なんです。問題を解決するカギは、これらの素晴らしいがん治療法を早めにがんに対応させることです。できるだけ早く、これらに抵抗できる耐性細胞が現れてしまう前にです。がん治療のキーは早期発見です。私たちはがんの早期発見が良い結果をもたらすと直感的に知っていますが、データでも同じことを示しています。例えば卵巣がんの場合、もし発見時ステージ4であれば、5年生存率はたった17%です。しかし早い段階、例えばステージ1の時がんを発見できれば、92%以上の女性が生存できます。しかし、15%の女性がステージ1の段階で発見できる一方で、大多数の女性70%がステージ3あるいは4の段階で発見されます。
私たちは必死にもっと良いがんの検査メカニズムを探しています。現在、がんの検査方法は三つにまとめられます。一番目は医療行為、例えば、大腸内視鏡で結腸癌を発見します。二番目は蛋白をマークします。例えば、前立腺特異抗原で前立腺癌を発見します。三番目は、画像処理技術。例えば、マンモグラフィーで乳がんを発見します。医療行為は至適基準ですが、しかし高侵襲性と実行するための基盤が特徴です。蛋白マーカーは、特定の人に有効的ですが、ある状況で対象ではないのです。その結果、大量の偽陽性が出てきます、そして、必要のない後処理と治療手順が導かれています。画像処理技術は特定の人群に適用しますが、患者を被ばくさせます。それにすべての患者に適用できる訳ではないのです。例えば、マンモグラフィは乳腺組織の密度が高い女性に適用できません。
だからこそ、私たちは非侵襲的な方法が必要なのです。要求が少なく、それに偽陽性がでず、放射線を使用されていない、大部分の人に適用できるものです。さらに重要なのは、私たちにはがん細胞がたくさん増える前にがんを発見できる方法が必要なのです。このような技術は今存在しているでしょうか? もし存在しているのならば、私は今日ここでプレゼンをすることはないでしょう。
私はとても興奮しながら、私たちが開発した最新の技術をみなさんにお話します。私たちの技術の中心は簡単な血液検査です。血液循環システムは一見普通ですが、生存に不可欠です。細胞に酸素と栄養を提供する一方で老廃物と二酸化炭素を排除します。ここは重要な生物学の直観です:がん細胞は正常の細胞より成長と死滅のスピードが速いのです。がん細胞が死滅の際に、DNAが血流によって流れ出ます。私たちはがん細胞の特徴を一系列の遺伝子研究項目から把握しましたので、私たちは血液からシグナルを見つけてがんを早期発見します。腫瘍が十分な大きさになって症状出るのを待っている、あるいはがん細胞が十分な密度になって画像に表示できる、あるいは十分目立つ頃になって医療行為で見える。その代わりに、私たちは血液のがん細胞のDNAの数量を観察することによって、がん細胞を比較的に早い段階で発見できます。
私たちがどうやって検査を行うかを皆さんに伝えます。まず、さきほど言った通り、簡単な血液検査からスタートします。放射線は使わず、複雑な機械も必要なく、ただ単に血液検査するだけです。血液が私たちに送られてきてからDNAを血液から取り出します。あなたの体が健康であれば、検出された大部分のDNAは健康な細胞です。しかし、ごく少量な、1%以下のDNAががん細胞です。がんゲノミクスプロジェクトからの情報に基づいて、私たちが分子生物方法を使ってこのがん細胞と関わるゲノムのDNAを培養します。そして、私たちはこのDNAをDNA配列決定の機械に入れて、DNAをA、C、TとGにデジタル化して最終のデータを手作成します。結果、私たちは何十億のアルファベットから構成させた情報を手に入れます。統計的に、計算上の理論を使って血液の中のごく少量ながん細胞のDNAが指示した小さな信号を見つけるのです。
この薬は本当に患者に効いているのか? 私たちは肺がんの患者さんで試験を行ったが、現在どの患者ががんになるかは予測できない。悲しむべきことに、たとえ一番いい薬を使っても、大部分の肺がんが再発します。重要なのは、私たちが標準的な方法より早くがんの再発を発見できるかどうかなのです。
これを検証するために、私たちはユニバーシティ・カレッジ・オブ・ロンドン(UCL)のチャールズ・スワントン教授と一緒に主要な試験を完成したばかりです。例を挙げてみなさんに説明します。例えば、一人の患者が手術を受け、これを0日目としてカウントしました。そして化学療法を受けてもらい、この患者が寛解状態になります。彼は臨床テストと画像処理技術で監視されています。手術から450日目、不幸にも、がんが大きくなりました。問題はがんをもっと早く発見することなのでしょうか? 私たちはずっと血液のサンプルを収集して、血液の中の血中循環腫瘍DNAの量を測定しています。初期の時点で、私たちの予測通りに血液中のがんのDNAのレベルが高くなりました。しかし、その後レベルはゼロになりました。そしてその後もレベルゼロの状態を維持しています。でも、34日目で、私たちが血液中のがんのDNAの量が上昇しているに気が付きました。最終的に、400日目と450日目にもっと上昇してしまいました。
ここが重要なポイントなのです。あなたは見逃がすかもしれないが、340日目で私たちは血液中のがんのDNAの上昇を確認しました。これは私たちが通常の方法より100日ぐらい早くがんを発見したことの証明なのです。これで私たちは治療を始めて100日早く、手術の治療より100日も早く、また、がんにとって100日は成長が早く、あるいは耐性癌細胞の発生より100日の時間的猶予があるのです。患者にとって、この100日は生存と死亡の境界線ですので、私たちは本当にこの情報を楽しみにしています。
このミッションのおかげで、私たちは今この研究を他のがんに広げています。乳がんも含めて、肺がん、卵巣がんもあります。私たちがどれぐらい早くがんを発見できるのかを楽しみにしています。
最後に、私には夢があります。それは二つのバイアル瓶の夢です。将来、私たちの一般的な健康診断の中に、二つのバイアル瓶の血液検査が含まれること。私たちはこの二つのバイアル瓶を通じてDNAをすべてのがんの特徴と比較することができて、そして、がんを数か月前、さらに数年前早く発見できるようになります。そうなれば、たとえ私たちの現在の治療法でも、数百万人の命が救われます。もし今の免疫療法と標的療法のが合わされば、がんを撲滅することもできます。
次に皆さんが「がん」という言葉を聞く際に、希望を持ってほしいのです。もう少し我慢してください。がんを治すために世界中のがんの研究者が一生懸命努力しています。とても進歩しているのですから。
これがはじまりです。私たちはがんとの闘いに勝利するでしょう。これはすばらしいニュースです。
ありがとうございました。
(拍手)
日本大学松戸歯学部卒。
ゆたか歯科クリニック開設
城北インプラントセンター開設
日本顎咬合学会
米国歯周病学会(AAP)
http://www.shuyu-kai.or.jp/
【略歴】
日本大学松戸歯学部卒
明海大学臨床研究所付属PDI埼玉歯科診療所勤務
河津歯科医院勤務
ゆたか歯科クリニック開設
医療法人社団秀雄会理事長就任
城北インプラントセンター開設
【所属】
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
板橋区歯科医師会
日本顎咬合学会
米国歯周病学会(AAP)