パーソナル・ファイナンス危機に対する率直な洞察(18:12)

エリザベス・ホワイト(Elizabeth White)
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対訳テキスト
講演内容の日本語対訳テキストです。
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あなたは私を知っている 私はあなたの友人の輪の中に隠れている 私の服装はいまだに非の打ち所がない お金を稼いでいた良き時代に 購入したものだから 私を見ても 実は先週 不払いのため電気が止められ 生活保護の有資格者であるとは あなたは気づかないだろう でもよく見ると 私の瞳の中の悲しみ 自信に満ちた声に隠された 恐怖に気づくだろう

最近私は1.99ドルの お試し用サイズの洗剤を買って 生計を維持している このサイズの洗剤があるなんて あなたは知らないだろう 2人でいつも楽しんだ高級レストランに あなたは私を誘う でも今回 私の注文は 12ドルのシャルドネのグラスではなく レモンをひと絞りした水だ メニュー選びは節約を念頭に 1セント単位で 細かく頭の中で計算する 私は デザートも洒落たコーヒーも ワインのお替わりも頼んでないので 割り勘は勘弁してもらう

体裁を繕うのは うんざりだ 私は貧しいのではなくお金がない そこには差があると友人に言われた ケーブルテレビもジムも解約し ネイルサロンにも通わない 髪の手入れも自分でできると分かった 退職金積立もなければ 貯金だってない だいぶ前に使い切ったのだ 資産となる高級マンションも 支えてくれる夫もいない 遅延と不払いを何カ月も重ね 私の信用スコアはボロボロになった 督促の電話がいつもかかってきて まずお定まりの文言を読み上げ それから初めて私の苦境に対して 礼儀正しく同情を示し そして完全に履行不可能な 支払スケジュールを要求する 私の友人は心の中で なぜ私ほどの教育を受けた人が 経済的に急転落したのかと いぶかしがっている

私は変わらず能力があり 頭がキレるが 仕事は切れ切れであり 単発のコンサルティング案件が あったり なかったりだ 55歳にして私は 明るさを装うことを学んだ しかし もう仕事の機会は多くない いつ減ったのか はっきりとは覚えていない だが「かつての」「昔は」の たよりない世界に 入り込んでしまっていることを 否定しようもない 自分がどこに所属しているのかも もうはっきりしない はっきりしているのは 何十件もの オンライン求人への応募は 全部ブラックホールに 吸い込まれてしまったらしいということ 自分がどうなるのか 分からない まだ健康を維持しているが 身体が痛む それとも痛むのは心なのか ホームレスの女性はかつて 私にとって透明人間だった しかし今や 彼女たちを鑑定しようと 目が引き付けられる 彼女たちの物語の始まりは 私と似ていたのだろうか

この作品は 1年前に書いたものです 私と知り合いの女性たちの事情を 組み合わせて作った物語です なぜ書いたかというと 平気じゃないのに 平気なふりをすることに うんざりしたからです 普通であるふりをするのに うんざりしたのです マスコミの報道の中に自分の姿は 見つけられませんでした 世界を旅する人やコスタリカの マンションを買った知人などいません ごく少数の友人だけが 15~20%の貯蓄をしています 専門家が 退職後に生活水準を維持するために 必要だとしているレベルの貯蓄です 私の友人の多くは50~60代ですが 彼らが直面している現実は 所得水準が下落し 一生働き続けざるをえず 失業 病気 離婚のいずれかで 破産に至るというものです まだどん底に落ちては いないかもしれませんが 多くの人が 一連の出来事によって どん底に至りかねない状況に 初めて直面しています

そして実際 どん底に沈むのは そんなに難しくないのです 米国の所得中央値の世帯では 1か月分の収入に見合うだけの 貯蓄しかありません 47%の世帯は 緊急時に400ドルを捻出できません 国の約半分の世帯がです 車の大きな修理だけで 絶望の淵に沈みます 身の周りを見ただけでは 気づかないでしょう このような状況にあるのは 私だけではないことに この会場の中にも 同じような苦境にいる人がいます あなたがそうでなくても ご両親や姉妹 あるいは 親友がそうかもしれません 私たちは 普通を装うことがうまくなります 恥じらいが私たちを黙らせ閉じこもらせます 初めて窮状を訴えようと決めた時 私はウェブサイトを作りましたが 友人は私の写真がないことに 気づきました このようなイラストばかりでした 公表する際でさえ 私は隠れていたのです

私たちは成功が収入によって 定義される世界に生きています お金の問題に直面していると 口にすることは 自分が負け犬であると宣言するのと ほぼ同じです ハーバードビジネススクールを卒業した 私のような人間だと 二重の敗北ということになります

私たちベビーブーム世代は 退職の備えが足りないのは すべて自己責任だと言われます なんだって わざわざ 退職年金を引き出して 義母の老人ホーム費用の不足分や 子供の学費や ただ生きていくことに 充ててしまうのかと 私たちは無計画だ 怠け者だと 追及されます ラテやミネラルウォーターに いくら費やしたのかと 辱めて責めることは とても楽しげな誘惑であり 私たちの多くは 他人に非難されるのさえ待たず 自責の念に駆られています いや 自己責任は引き受けます 私たちは皆 もっと貯められたでしょう 私は自分がもっと貯められたと知っています そしてあなたがもし私の過去30年の人生を くまなく調べれば 金銭的に愚かな行動を 1つとは言わず 見つけられるでしょう それはもう変えられません あなただって同じです でも 個々人の独立した行動を 制度的な要因と混同しないでください 退職者の生活費に7.7兆ドルの不足を もたらした制度的な要因です

ベビーブーム世代の多くのアメリカ人が こうなったのは スタバに行き過ぎたせいではありません 過去30年間 こんな問題を相手にしてきました 向上せずに下落する賃金 消えていく年金 天井しらずの住居費や医療費や教育費 昔はこうではありませんでした 退職者の収入は安定した 3本脚のスツールのようでした 貯蓄と年金 そして社会保障の3本脚です しかし スツールは 不安定になってしまいました

まず貯蓄 ― 何を貯めるというのか 多くの家庭にとって 請求書の支払いを済ませたら 貯金する残りはありません 年金という脚もぐらついてます 多くの人が年金を受給できた時代を 私たちは覚えています 現在 年金を支給する企業で働いているのは アメリカの労働人口の13%だけです 年金の代わりは何でしょう 確定拠出型の積立が導入され 突然 退職後の計画の責任は 雇用主から私たちに移されたのです 権限を委ねられただけでなく リスクも負いました そして 40年間も自主的に投資し続けるのは そんなに得意ではない人が 大勢いるということがはっきりしました 多くの人は市場リスクを管理することに 長けていません 数字が語っています 米国の世帯の半数では 退職に向けた蓄えが全くありません ゼロです どの退職金口座にも 10セントすらありません 55~64歳の 退職年金口座にある金額の

中央値は10万4千ドルです

10万4千ドルはゼロよりましに聞こえますが 年利で生じるのは300ドルほどです これでは生きていけないのは 言わずもがなです

貯蓄が減り 年金が過去の遺物となり 確定拠出年金が 多くのアメリカ人の期待を裏切る中で 退職間近の多くの人が退職金積立の代わりに 社会保障をあてにしています でもそうはいきません 本来 社会保障と ちゃんとした退職金積立は まったく別の物です まったく不十分です 良くても 退職前の収入の 約4割を補うにすぎません

社会保障が始まった― 1935年から多くのことが変わりました 当時 21歳の男性が 65歳まで生きる確率は 5割でした つまり 彼は60歳で引退し 少し釣りをして 孫にキスをして 金時計をもらい 退職後の給付を受け始めてから 5年以内に亡くなりました 昨今はそうではありません 50代後半で健康な場合 あと20年や25年生きるのは容易です それは生計を維持するには あまりに長い期間です 特に お金がない場合

では この状況に至ってしまった― 50歳 55歳 60歳の人は 何ができるのでしょうか この状況を避けたいと考える― 22歳や32歳の人は 何ができるのでしょうか 私自身の経験から 以下のことを学びました 騎兵隊は来ません 大規模な救助隊も 白馬の王子様もおらず 大規模な救済策も計画されません アメリカで 貧しい年寄りにならないように チャンスを掴もうとするなら 自分自身を そして お互いを助ける必要があります 私は影から歩み出て ここにオープンに立っています 皆さんにも 同じようにして頂きたいのです 簡単なことではない なんて言いません でも自分の物語を話す決意をしたのは 少しは皆が自分の話を しやすくなるかな と思ったからです 人数が多いということを武器にする他に 退職後の危機に関して交わされている この国の現実離れした会話に 変化を起こす手段はありません 私たちの多くが自分たちに起きたことに対し 大きなショックを受け さまよう中で 私たちは草の根から立ち上がり 回復のためのサークルを作る必要があります これは小さなグループで集まって 何が自分たちに起きたのか話し 資源と情報を共有し 前進する道を考え始める活動です これを足掛かりに 自分たちの声を再発見し 警鐘を鳴らせると 私は信じています 政府機関や政治家に圧力をかけ この危機に 相応の緊急性を持って 全力で取り組んでもらいましょう

その間― 「その間」があるわけですが 私たちは地を這って生きる考え方を身に着け 出費を大きく節減する必要があります 収入に合わせて生きるという 意味だけではありません 多くの人はすでにそうしています 私たちに今求められるのは もっと深い意味で モノに定義されない人生を送ることの 本当の意味を自ら問うことです これを「大事なことに絞る」と 呼びます 「大事なことに絞る」とは 満たされ 地に足がつくと感じるために 本当に 自分に必要なことを把握することです 私のある友人は 本当にオンボロの車に乗っていますが 彼はこつこつと節約して とうとう1万5千ドルを貯めて フルートを買いました 彼にとっては 音楽が 本当に大切なものだからです 大事なことに絞ったのです

私はまた 魔法を求める思考を 手放しました 我慢すれば 耐乏生活を送れば 普通に戻れるとの考えを手放したんです 履歴書をもう1通送れば インターネットでもう1つ仕事に応募すれば 交流会にもう1つ参加すれば 確実に私が慣れ親しんだ種類の仕事に就ける― そして確実に物事は普通に戻るという考えです しかし 私もあなたも戻れないというのが 実状なのです 私たちが知っていた普通は終わりました 私たちが今いるこの新しい場所では したくないことをすることを求められます 私たちは 自分の立ち位置や才能や 技能に見合わない仕事を することを求められます 私は自分の王座から降りる必要がありました 去年 親しい友人から オーガナイズする(まとめる)仕事を 手伝ってほしいと頼まれました 私はコミュニティを組織化する仕事 オバマ大統領がシカゴでやったようなタイプの 仕事だろうと思いました 誰かのクローゼットを整理する仕事でした 「それはやらない」と答えると 「王座から降りなさい  お金に色はないでしょ」と言われました

先進的なチームの一員として ワークライフの新時代を呼び込むのは 容易ではありません 最初が一番難しいのです 最初の時には ネットワークや 道筋やロールモデルがなくて 政策も 私たちの進むべき道しるべも できていません 私たちは地殻変動の中にあり 抜け出すためには「つなぎ」の仕事を 見つける必要があります 当面行うべきことは「つなぎ」の仕事です 「つなぎ」の仕事とは 次にどうするのかを考えている間に 取り組む仕事のことです 「つなぎ」の仕事は こんな認識を手放させてもくれます 私たちの価値は収入や役職や 仕事に依るという― 考えを手放させてくれるのです 「つなぎ」の仕事は 金銭的苦境に 陥った時の個人の状況によって 奇妙に見えたり 流行の仕事のようにも見えます 私の友人は 博士号を持っていても ホームセンターで働いたり UberやLyftの運転手をしています また 他のベビーブーム世代の人と組んで ベンチャーを始めた友人もいます 「つなぎ」の仕事をしていても 過去のキャリアに基づく仕事を 望まないという意味ではありません 有意義な仕事を望まないという わけではありません そうしたいのです 「つなぎ」の仕事は 次の仕事を見つけるまでの間にすることです

また 失敗ではなく戦略を考えることを 私は学びもしました やりたくない多くのことを 処理する中でです 皆さんも こんなアプローチを 考えてみてはいかがでしょうか

もし生計を維持するために兄弟と 同居する必要があるのであれば 電話しましょう 住宅ローンの返済や 家賃の支払いのために 同居人が必要なら 実行しましょう 生活保護が必要なら つべこべ言わず 取りに行きなさい AARPによると 実際に利用しているのは 対象となる高齢者のたった3分の1だそうです 次のラウンドに行くために 必要なことをしましょう 同じ境遇の人は何百万人もいます 影から歩み出ましょう 節約して 大事なことに絞り 失敗ではなく戦略を考え 自らの王座を降り 厳しい時を乗り越える 「つなぎ」の仕事を見つけましょう

国としては 私たちは長寿となり 数十億ドルを診断や治療や 疾病管理に投資してきました 長く生きるだけでは十分ではありません 私たちは良い人生を送りたいのです 私たちはそれを確実にする 物理的なインフラへの投資を それほどしていません 今 アメリカで年をとるという意味に関して 私たちは新たな考え方を必要としています そして生き方に関する導きと アイディアを必要としています どうしたら 豊かで味わいのある人生を 控え目な収入で送っていけるのか

私は 変化の担い手や 社会起業家 アーティスト お年寄り 社会貢献投資家に呼びかけています 現状を生み出した人たちにも それを打破する人たちにもです 皆さんの力が必要です どのようなサービス 製品 インフラに投資すれば 私たちの尊厳や 自立や幸せが 今後生きていく数十年にわたって 支えられるのか想像してください

私の旅は恐れと恥から 謙虚さと理解へと至るものでした 私は皆さんと盾を並べて この戦いを戦う準備ができています 私と一緒に戦ってください

ありがとうございました

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このプレゼンテーションについて

秘密を教えます。ベビーブーム世代の多くが厳しい家計状況で老年に突入しています。そしてその背後には同じ問題を抱えた若い世代も控えています。作家のエリザベス・ホワイトは、非常に私的な切り口を交えたこのトークによって、金銭問題に関する率直な対話の口火を切り、限られた収入の中で豊かで味のある人生を送る上での実践的なアドバイスを提供します。

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