医療の世界はまさに日進月歩、今日の常識は明日の非常識ともなりえます。しかし、どんなに最新の医療機器も使うのは現場のドクターであり、手術室で使えなければ意味がありません。本連載では、日々生まれてくる最新医療機器と、それを使って治療法がどう変わるのかについ
て、心臓手術の職人とも言われる昭和大学横浜市北部病院循環器センター 教授の南淵明宏Dr.(心臓血管外科)に、使い手(ユーザー)としての視点から鋭く解説していただきます。
最新号
2016年8月4日
第4回『Vesalius 3D』手術の術野と言う観点から人体内の画像を構築するソフト
手術でこっちからアプローチしたらどんなふうに見えて、目の前にある臓器の一部分の反対側には何がある・・・といった、戦術指向の画像情報というのは軽視されてきた、というか、そういう知識と経験に長けた強者しか手術野を想像して、戦術を考えることはできなかった。実際には経験だけだろう。行ってみなければわからない。その場に行ってみた、自らの経験だけが、「ここんとこ、こう開けるとこんなふうに見えるんだよねぇ」と理解できたのだ。[ 続きを読む ]
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著者プロフィール
南淵 明宏(なぶち・あきひろ)
昭和大学横浜市北部病院循環器センター 教授
昭和58年、奈良県立医科大学医学科卒業。
34歳以来心臓外科手術の執刀医として活躍。その間、midCABG(ミッド・キャブ)と呼ばれる小さなキズで、しかも短時間でバイパス手術を行う手術方法に習熟するなど、手術手技においては我が国の心臓外科医の間で彼を崇めないものはいない。
民間病院で活躍してきた立場から、彼なりの医療観を歯に衣を着せることなく常に社会に発信し続けてきた。
その生き様は、大学病院教授となった今も少しも変わることはない。