愛知県に暮らす
私にとって高須クリニックはサイドビジネスであり、本業は高須病院なので、そちらのお話もしたいと思います。私は高須病院の理事長として、高齢者介護に軸足を置く地域医療を実践しています。
コラム・連載
私にとって高須クリニックはサイドビジネスであり、本業は高須病院なので、そちらのお話もしたいと思います。私は高須病院の理事長として、高齢者介護に軸足を置く地域医療を実践しています。
私は「高須クリニック院長」とすぐに紹介されるのですが、東京に行ったときにたまたま美容外科をしているだけで、普段は西尾市の高須病院にいます。住まいも西尾市で、名古屋市に別宅があります。愛知県では高齢の方から「息子たちが先生は美容外科もしとると言ってたけど、ほんとかね」と聞かれたりするぐらいです。東京には金曜日の夜に来て、土曜日に診療して、その日のうちに愛知県に帰ります。日曜日は署名活動をしていたのですが、私と2ショット写真を撮りたい人は署名してくれていました(笑)。
自粛期間中は新幹線の車両に私しか乗っていない日がありましたが、今は増えていますね。私はツイッターでリアルタイムに自分の動きをオープンにしているので、愛知県警から「それを見た泥棒が入るから、気をつけてください」と言われたんです。それで、泥棒が来たら捕まえる仕掛けをしました。家に帰って、泥棒が罠にかかっていたら面白いから、来ないかなと思っています(笑)。でも、この話が有名になったので、今度は愛知県警から「その防護処置は危険です」と言われました。だから私は「うちに侵入しなければ、何の被害もありません」と答えたんです。クマやハクビシンに襲われたら怖いから防護しているだけで、国民の方々をハメようとしているわけではないと言ったら、「分かりました」と。
愛知県でもたまに「外部の高須が」と言われますが、私は生粋の愛知県生まれ、愛知県育ちの愛知県人です。愛知県以外に住民票を移したこともありません。高須病院は長男が会長を務めており、理事長の私よりも偉いんだそうです(笑)。
長男の妻は大阪院の院長、次男は歯科医師で高須クリニック歯科を開業しています。三男夫婦は名古屋院にいます。医師は地域に貢献する仕事なのだから、跡継ぎは親が持っているデータを引き継ぎ、医師をすべきなんです。そうすれば、患者さんの子どもや孫も診ていけます。医師は地域に必要な存在ですし、地域密着型の病医院を開業している人は子どもを最優先で医師にした方がいいです。
高須病院は健康保険の病院ですから、発熱外来も行っていますが、新型コロナウイルスの影響を全く受けていません。一人の感染者も出していないんです。
受付でも三重にチェックしたり、完璧に対策しています。患者さんの熱を外で計り、外で色々と診て、安全な方だけ中に入れています。面会は全てお断りしています。どうしても面会したいという方はオンラインを使い、モニター越しに面会しています。接触しなければ、絶対に感染しないのです。
院内には入れず、別の場所で診ます。薬を処方したら、駐車場で渡したり、とにかく接触しないことですね。新型コロナウイルスの患者さんを受け入れている病院はどこも大変なことになっています。一人の感染者が出ると、色々なことに制限がかかるし、止めないといけないこともあります。
最初は私一人だけが騒いでいました。「これから流行るから、中国人の入国を止めろ、中国人は一切来るな、東京に入れるな」と言っていたんですが、そのときは馬鹿にされていました。でも台湾は私の言った通りにしたから、良い結果となりました。本当は台湾よりも日本の方がやりやすいはずなんです。台湾は中国の人と混ざり合いますからね。日本も今は少し安全になってきたので、緩めてもいいのだと思います。
全く苦労していません。安いときに一杯買っておきました。私どもは勝ち組です(笑)。
地域密着型の医療施設で、常に満床です。腕や足の骨折、腰椎の圧迫骨折、餅を喉に詰まらせたまで、色々な患者さんがいらっしゃいます。急性期だけの病院はベッドをフルに動かせないので、その分、私どもに来院される患者さんが多く、忙しくなっています。
高須病院の療養病床で診た患者さんは症状が軽ければ、関連施設の老人保健施設やグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、どちらかに移っていただいています。私は惣領だから、最後まで面倒を見るんです。介護に取り組み始めたのは高須クリニックが挑戦している「幸福医療」の理念と共通する点が多いからです。美容外科も介護も人を幸せにする医療なのです。高須病院にはもともと産婦人科や小児科もあって、オギャーと生まれたときから高須グループで面倒を見る仕組みになっていました。でも、産婦人科医だった母や妻が亡くなったこともあって、産婦人科を休止したのです。私の祖母も産婦人科医でした。昔の医師は皆、産婦人科ができたんです。
高須病院自体は私が作ったものですが、高須家はこの地で300年前から医療を行ってきました。祖母、母、妻と産婦人科を続けてきましたが、最近は地域医療で産婦人科をしようという人が少ないですね。地方は少子化が進んで、人口が減っています。子どもが少ないけれども、高齢者がものすごく増えました。
そうです。子どもの救急なら診ますが、そうでないときは救急車も行く病院を決めていますし、地域で分業ができています。一方で、高齢者が何かあったら、私どもにいらっしゃいます。ただ、いつまでも入院させられないから、老人保健施設などに繋ぐんです。
時代は在宅、在宅ですが、在宅医療よりも高須病院に入院している方が安全です。家にいたら、いつ子どもが学校からコロナをもらってくるか分かりません。高須病院にいれば、100%コロナに感染しません。だから、皆が入院したがる病院なんです。
新型コロナウイルスでほとんどの医療機関が売上を落とした中で、私どもは落としていません。私どもではさらに報奨金も出しています。勝ち組ゆえに、いい医師に来てほしいのですが、西尾市は過疎地なので、求人票を見て、敬遠されているようです。
自衛隊を退官した医師が来ないかなと広告を出しているところです。でも防衛医大を出て自衛官になったのに、美容外科をしたいという人もいて、国賊ではないかと思います(笑)。防衛医大の出身者は真面目だし、色々なキャリアを持っています。だから、美容外科志望の人はお断りです。こういうときに美容外科をするものではありません。私は義理があるから美容外科をしているだけのことで、今こそ国民のために働くときだし、医療崩壊しそうな地域で働くべきなのです。
著者プロフィール
高須クリニック 院長