コラム・連載
シーズン5 第2回 GonzoさんとのCM撮影
高須クリニックは患者さんが増えているのだそうですね。
コロナ禍でマスク必須ですから、手術のあとでマスクをして帰れるということで増えているのかなと思います。私自身はいわゆるお金持ちおばさんの「若くなりたい」というご希望に沿うよう、シワ取り、シミ取り、たるみ取りしか診ないということにしています。二重まぶたにしたい、脂肪を吸引したいといった方は高須クリニックのほかの医師が診ています。でも、ほかにも繁盛している理由があると分析しています。
どういった理由なのでしょうか。
郷ひろみくんです。郷ひろみくんは2000年ぐらいから2008年11月まで、高須クリニックのCMに出ていました。今はにしたんクリニックさんのCMに出ていますが、郷ひろみくんがにしたんクリニックさんのCMで「たんたん」と言っている姿を見て、2000年頃に高須クリニックのCMを見ていた方たちは「たんたんの高須クリニックだ」と思い込んでいらっしゃるのではないでしょうか。それで、高須クリニックを思い出してくださって、診療にいらっしゃっているように思います。「Yes」と言えば高須クリニックです。「イエス」と聞いて「キリスト」という人はクリスマスの日にもいないでしょう。その「Yes」に加えて、今では郷ひろみくんのお蔭で「たんたんの高須クリニック」が広まっているのでしょうね。
にしたんクリニックさんのCMは郷ひろみさんのバックでタンバリンを持った方たちがダンスをしているものですね。
そうです。その踊りがあまりうまくないんですよ。タンバリンのダンスパフォーマンスと言えば、お笑い芸人のGONZOさんですが、私はGONZOさんとツイッターで相互フォローをしているんです。そこでGONZOさんに「もうちょっときちんと教えなさいよ」と言ったところ、彼はあのCMには全く絡んでいないのだそうです。「僕が教えれば、もっと立派にやれるはずだ」と言うので、「じゃあ、うちのCMでやろう」ということになりました。その電話を彼がYouTube Liveをしている最中にしたものだから、YouTubeの中で彼が「どうしよう。高須クリニックからオファーが来た」とリアルタイムで話してくれたりして、楽しかったです。
リアルタイムで伝わるのはすごいですね。
「今からやるぞ。お楽しみに」とリアルタイムで伝えると、ハネるんです。ユーザーは遅いニュースは見ません。YouTubeもこの頃は見る人が減ってきて、TikTokが伸びています。Facebookも落ちてきたし、ツイッターもオワコンになってきました。ブログも読まれないですね。今、話していることがそのままリアルタイムに伝わるものを皆が欲しがっているのです。テレビより早いものに皆が寄ってきます。今日の新聞は昨日テレビで見たことなのだから、新聞が売れなくなってきたのは当たり前だと思います。
高須クリニックの新CMを拝見しましたが、GONZOさんとキッズダンサーの皆さんと素敵に踊られていて、元気が出ました。
GONZOさんに振付をしていただき、いいCMができました。是非、高須クリニックの新しいCMを見ていただきたいと思います。
Pyes!高須クリニック~超整形BLACK~
高須クリニックのパチンコ台も登場しましたね。
豊丸産業さんから高須クリニックのパチンコ台を作りたいとの申し出がありました。豊丸産業さんの永野光容社長は高校の後輩なのです。それで私に目をつけて、お声をかけてくださっただけで、私どもで売り込んだり、アイディアを出したわけではありません。豊丸産業さんは「すしざんまい」さんの台も出していますし、私どもの台が出ても問題はないでしょう。
先生はもともとパチンコがお好きでいらしたのですね。
パチンコが好きというよりも、昔はパチンコで食っていけたんですよ。かつての私は釘を読み、素人ではないような打ち方ができていました。昔は手で打たないといけなかったし、バネを弾かないといけなかったんです。でも、いい台を見つけて、大量に玉を打ち込めば、必ず儲かりました。ぐずぐずやっていたら、儲かるものかどうかも分かりません。儲からない台だと一瞬でスッてしまいますし、出そうな台を選んで乱れ打ちしていきます。それができれば、パチンコで食っていけたんです。
パチプロという言葉もありました。
昔は大勢いましたよ。梁山泊的なグループもありました。前日に「これは出る台だ」と分かれば、そして、その釘が翌日にも同じ状態のままで、なおかつ雨が降れば、ますます出ました。
雨と関係があるのですか。
雨が降ると、釘が少し緩むのです。カラカラの乾いた状態だと細かい振動があったりして、入る確率が下がります。また、パチンコ台の上に玉がずっしり載っていると、その重さが効いて、玉が正確に入るようになります。それでパチンコ屋で顔が知られてきたら、「玉を上に載せて」と頼んだりもできました。
それは大学生の頃のお話ですか。
いえ、私は高校1年生のときにパチンコを始めたんです。大学に入ってからもずっとやっていました。
高校生がパチンコ屋に入るのはいけないのではないですか。
本当は駄目なのですが、私の高校は先生方がパチンコ好きみたいで、割と容認されていました。先生とパチンコ屋で会ったこともありますし、先生から玉をもらったこともあります。いい学校でしたね。私も成績が悪いからパチンコ屋に行っていたわけではなく、成績もそこそこ良くて、真面目に過ごしていたので、玉を弾いて何が悪いのかという感じでした。先生方もせいぜい100円で遊んでいただけです。100円で確か25発できて、それだけやって15発出てきたら、30発ですもんね。当時は子ども連れで来ているお母さんが子どもに玉を拾いに行かせたりもしていました。それで5発とか10発を出して、チョコレートに替えて帰っていっていたんです。
ほのぼのした時代だったんですね。
100円しか使わないとなると乱れ打ちができないから、煙草代を稼ぎに来た程度の人が多かったです。私は乱れ打ちをするために、自宅にあった辞書を古本屋に売ったり、ポータブルテレビを質屋に入れたりしていました。質屋に初めて行ったのも高校1年生のときです。さすがに辞書を売ったら親に怒られると思ったので、外のケースを残して、中味だけを売っていました。でも、昔のパチンコは今のパチンコとは全く違う遊びで、単なる娯楽でしたね。今は全自動だから、昔のようにバネを弾くわけではなく、皆が乱れ打ちをしている状態なのです。
高須クリニックの新台は初日から話題になっていますね。
豊丸産業さんはメーカーなので、ホールに対して販売のプロモーションをするのですが、今回生産した3000台は既に完売しているそうです。しかし、半導体不足により、追加生産ができないようです。半導体事情が回復したら、また生産されるかもしれません。
著者プロフィール
著者名:高須 克弥
高須クリニック 院長
- 1945年 愛知県幡豆郡一色町(現 西尾市)で生まれる。
- 1969年 昭和大学を卒業する。
- 1973年 昭和大学大学院を修了する。
- 1974年 愛知県幡豆郡一色町に高須病院を開設する。
- 1976年 愛知県名古屋市に高須クリニックを開設する。
- 2011年 昭和大学医学部形成外科学(美容外科学部門)客員教授に就任する。
- インタビュー 高須克弥先生に訊け
- 25. 2022年の再生プロジェクト
- 24. 前科者の会
- 23. 高須クリニック銀座移転
- 22. GonzoさんとのCM撮影
- 21. 新型コロナウイルス第6波
- 20. 再生プロジェクト
- 19. がんを治療する
- 18. がんを発見する
- 17. 末期がんに対する挑戦的治療法
- 16. 新型コロナウイルス第5波
- 15. 本物と偽物
- 14. フェイスシールド
- 13. 医師国家試験
- 12. 昭和大学での日々
- 11. 東京オリンピック
- 10. ウィズコロナの時代に
- 09. 最近の美容外科に警鐘を鳴らす
- 08. 社会貢献活動
- 07. 愛知県に暮らす
- 06. 新型コロナウイルス
- 05. 新しい美容外科
- 04. ミケランジェロ™
- 03. 国際交流
- 02. 血液クレンジング
- 01. 美容外科のニーズ
- 精神科医とは、病気ではなく人間を診るもの 井原 裕Dr. 獨協医科大学越谷病院 こころの診療科教授
- がん専門病院での研修の奨め 木下 平Dr. 愛知県がんセンター 総長
- 医学研究のすすめ 武田 憲夫Dr. 鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院 院長
- 私の研究 一瀬 幸人Dr. 国立病院機構 九州がんセンター 臨床研究センター長
- 次代を担う君達へ 菊池 臣一Dr. 福島県立医科大学 前理事長兼学長
- 若い医師へ向けたメッセージ 安藤 正明Dr. 倉敷成人病センター 副院長・内視鏡手術センター長