第70回
ベトナム訪問記
今回はベトナムに行ってきたのでちょっとご報告。知り合いの化粧品会社の会長から「あちらの財閥の方が再生医療に興味があるとのことなので、先生ご一緒に。」とお誘いがあったからなのだが。ベトナムに関しては色々とお話があったのでちょうど良いかなと思って受けたのだ。
決してご招待だからだけではありませんよ。「先生、忙しいからたまには休養も兼ねていきましょ。」なんと優しいお言葉!ウチのスタッフにも是非聞かせてやりたいのだが、そんなこと言ったら「やっぱり遊びに行くんかい?!」みたいになるので内緒。あくまでお仕事です。お察しください。実際、飛行機の便だけ教えてもらってて、あちらでの日程がわからない。「あちらの会長さんの日程がまだ、確定してないらしいけど、ちゃんと〇〇ちゃんがアテンドしてくれてるからね。」アテンドしてくれてるのは〇〇ちゃん。2回ほど会ってるから一応顔見知りだ。日本に帰化してるけど、ベトナム人の女性でなかなか元気なやり手。なんか、大阪のおばちゃんによくいそうなタイプ。
いつもの様にマイナートラブル(ちょっと恥ずかしいような。お察しください。)はあったが、無事にホーチミンに到着。この地点で〇〇ちゃんの実力を思い知った。飛行機を降りたらそこで待ってた!国際線だよ!詳しくは言えないが、そのまま並ばずに入国させてもらった。で、日本には無い豪華なミニバスで移動。アジアの国に行くと良くあるやつです。アルファードみたいにせせこましく無いやつ。ご存知の方は分かりますよね。早朝着なので、ホテルに荷物だけ預けて朝食。早朝から洒落たレストラン。早朝だから貸切状態かと思ったら、オーナーに言って特別に開けてもらったらしい。本当に貸切、他に客がいないのも当然。
まあ、ここまでだと本当に豪華観光旅行みたいだが、ここからがお仕事。あちらで有数の製薬会社の工場見学。なんと〇〇ちゃんの叔父さんの会社とかで、特別に製造工程もいろいろ見せてもらった。他のメンバーは基本素人なので良くわかってないみたいだが、注射薬の製造までWHOのGMT認証取ってるので、ベトナムで作る事になっても何も問題ない。もちろんかなりの政治力もあるみたいだし。これだけでもベトナムに来た甲斐があったと思ったほど。
で、昼食後に〇〇ちゃんが経営してるクリニックを2軒視察。どう説明したら良いのか、エステっぽい美容、健康クリニック。メニューは日本から見るとそんなに特別なものはないけど、富裕層向けにほぼ会員制のように予約制限してるらしい。
やっぱり、ベトナムも貧富の差は大きいみたいで、移動しててもコチラが高級車なのに、道はスクーターで溢れてる。しかも、2人3人乗りも多い。大人2人、子供2人の4人乗りまで認められてるとか。皆さんがイメージする通りの普通のスクーターですよ。特に座席が多いわけでもなし。その波の中を車がぬって走る感じ。運転見てたらハラハラして気分悪くなりそうなぐらい。まあ、かように活気で溢れた国なわけだ。幸い雨に降られなかったが、亜熱帯特有の蒸し暑さが結構すごい。コチラはドアtoドアで車移動だからあまり汗かくこともなかったので大助かりだったけど、これ個人で来たら移動大変そう。
因みに遅ればせながら今回のメンバーは化粧品会社の会長さんとその息子さん2人。長男が社長。美容ライターの夫妻。奥さんの方が有名なライター。と私。この方達はとにかくインスタなどの配信をよくやってて、暇があるとスマホ一つでどこでも配信開始。必然的に近くにいる私も登場したりするもんだから、知人から「先生、今ホーチミンですか?」とか「先生、みーつけた。」ってLINEが来てびっくり。この人達かなりの有名人なのは知ってたけど、ここまでみんな見てるとは。SNSの発信が大事と言われているが、まるまるスタッフに投げている私にはとても無理。こんなにマメにできないわ。今回の旅行の顛末もこの方々のインスタなんかに詳しく載ってると思う。お好きな方は探してみて。私はみてないけど。
で、仕事の合間はショッピングが入る。同行しても、今度はコチラが手持ち無沙汰。ブランドショップなんか、あまりの高価さに圧倒(アホらしくて)されて土産買う雰囲気にもならない。土産買って来ない言い訳じゃないですよ。カバンひとつに一千何百万みたいな話に入っていけないだけ。別にせこい訳じゃないですよねえ。それに元来、私は土産買わない派なのだ。海外も学会以外はラリーぐらいなので、僻地ばかりが多くて土産になるものが無いという事情もあったのだが。
話がちょっと脱線したけど、翌日からがハイライト。今回はちょっとスケジュールが押せ押せでここまで。次回に乞うご期待。
著者プロフィール
Dr.中川 泰一
中川クリニック 院長
1988年関西医科大学卒業。
1995年関西医科大学大学院博士課程修了。
1995年より関西医科大学附属病院勤務などを経て2006年、ときわ病院院長就任。
2016年より現職。
- Dr.中川泰一の
医者が知らない医療の話 - 86. マクロファージと不妊治療
- 85. 中国での幹細胞治療解禁
- 84. 過渡期に入った保険診療
- 83. 中国出張顛末記Ⅲ
- 82. 中国出張顛末記Ⅱ
- 81. 中国出張顛末記
- 80. 保険診療と自由診療
- 79. マクロバイオームの精神的影響について
- 78. マクロバイオームの遺伝子解析Ⅲ
- 77. マクロバイオームの遺伝子解析Ⅱ
- 76. 中国訪問記Ⅱ
- 75. 中国訪問記
- 74. 口腔内のマクロバイオームⅡ
- 73. 口腔内のマクロバイオーム
- 72. マクロバイオームの遺伝子解析
- 71. ベトナム訪問記Ⅱ
- 70. ベトナム訪問記
- 69. COVID-19感染の後遺症
- 68. 遺伝子解析
- 67. 口腔内・腸内マクロバイオーム
- 66. 癌細胞の中の細菌
- 65. 介護施設とコロナ
- 64. 訪問診療の話
- 63. 腸内フローラの影響
- 62. 腸内フローラと「若返り」、そして発癌
- 61. 癌治療に対する考え方Ⅱ
- 60. 癌治療に対する考え方
- 59. COVID-19 第7波
- 58. COVID-19のPCR検査について
- 57. 若返りの治療Ⅵ
- 56. 若返りの治療Ⅴ
- 55. 若返りの治療Ⅳ
- 54. 若返りの治療Ⅲ
- 53. 若返りの治療Ⅱ
- 52. ワクチン騒動記Ⅳ
- 51. ヒト幹細胞培養上清液Ⅱ
- 50. ヒト幹細胞培養上清液
- 49. 日常の診療ネタ
- 48. ワクチン騒動記Ⅲ
- 47. ワクチン騒動記Ⅱ
- 46. ワクチン騒動記
- 45. 不老不死についてⅡ
- 44. 不老不死について
- 43. 若返りの治療
- 42. 「発毛」について II
- 41. 「発毛」について
- 40. ちょっと有名な名誉教授とのお話し
- 39. COVID-19と「メモリーT細胞」?
- 38. COVID-19の「集団免疫」
- 37. COVID-19のワクチン II
- 36. COVID-19のワクチン
- 35. エクソソーム化粧品
- 34. エクソソーム (Exosome) − 細胞間情報伝達物質
- 33. 新型コロナウイルスの治療薬候補
- 32. 熱発と免疫力の関係
- 31. コロナウイルス肺炎 III
- 30. コロナウイルス肺炎 II
- 29. コロナウイルス肺炎
- 28. 腸内細菌叢による世代間の情報伝達
- 27. ストレスプログラム
- 26. 「ダイエット薬」のお話
- 25. inflammasome(インフラマゾーム)の活性化
- 24. マクロファージと腸内フローラ
- 23. NK細胞を用いたCAR-NK
- 22. CAR(chimeric antigen receptor)-T療法
- 21. 組織マクロファージ間のネットワーク
- 20. 肥満とマクロファージ
- 19. アルツハイマー病とマクロファージ
- 18. ミクログリアは「脳内のマクロファージ」
- 17. 「経口寛容」と腸内フローラ
- 16. 腸内フローラとアレルギー
- 15. マクロファージの働きは非常に多彩
- 14. 自然免疫の主役『マクロファージ』
- 13. 自然免疫と獲得免疫
- 12. 結核菌と癌との関係
- 11. BRM(Biological Response Modifiers)療法
- 10. 癌ワクチン(樹状細胞ワクチン)
- 09. 癌治療の免疫療法の種類について
- 08. 食物繊維の摂取量の減少と肥満
- 07. 免疫系に重要な役割を持つ腸内細菌
- 06. 肥満も感染症? 免疫に関わる腸の話(2)
- 05. 肥満も感染症? 免疫に関わる腸の話(1)
- 04. なぜ免疫療法なのか?(1)
- 03. がん治療の現状(3)
- 02. がん治療の現状(2)
- 01. がん治療の現状(1)
- 精神科医とは、病気ではなく人間を診るもの 井原 裕Dr. 獨協医科大学越谷病院 こころの診療科教授
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- 医学研究のすすめ 武田 憲夫Dr. 鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院 院長
- 私の研究 一瀬 幸人Dr. 国立病院機構 九州がんセンター 臨床研究センター長
- 次代を担う君達へ 菊池 臣一Dr. 福島県立医科大学 前理事長兼学長
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